犬が骨を丸呑みしてしまった(といっても、ある程度はかみ砕いて小さくしていますが)としても、犬の胃液はいとも簡単に骨を溶かす消化力を持っているので、基本的には大丈夫です。骨を丸呑みしても、白いポロポロのウンチで出てきたりします。しかし、なぜ犬は私たち人間のように咀嚼(そしゃく)して、食事を楽しまないのでしょうか?
犬は元々は群れで生活をしていたので、他者より速く多く食べる必要があったんですよね。そのための『丸呑み』が今もなお残っているということなんです。今回は、犬の『骨の丸呑み』について調べてみました。
目次
犬が骨を丸呑みしても基本的には大丈夫です
犬の身体の大きさに合った骨であれば丸呑みしても大丈夫です。それだけ胃液の消化力が強いんですよね。飼い主さんが気を付けてあげなければいけないのが、ワンちゃんにあげる骨の大きさになります。小型犬が鳥の手羽元の骨を丸呑み→これは危険ですよね?喉や食道を詰まらせて呼吸困難になるかもしれません。
また、いくら消化できるからといっても、量が多過ぎると消化不良で下痢などしてしまいます。ですから、小型犬には手羽先をあげるなど、大きさと量に注意してあげましょう。
もし、血を吐いたり、便が黒くなっている場合は、すぐに病院へ連れていってあげてください。鳥の骨が刺さっている可能性があります。
骨を丸呑み・・・消化はできているの?
ほんの少し嚙み砕いただけで丸呑みしてしまう・・・そんな場合でも消化できています。人間の消化能力とは違い、犬の消化能力は強力だからです。骨を丸呑みした後のウンチを見てみると、白くポロポロした状態で排泄されることが多いです。これは丸呑みした骨が消化されている証拠です。もし消化されていなければ、骨そのままの形で排泄されるはずです。
ワンちゃんは元々肉食なので、骨を消化することが得意です。5時間あれば完全に消化できる程です。しかし、中には完全に消化できない骨があります。それは魚の小骨です。腸に刺さって手術という前例もありますので、ワンちゃんに魚を与えるときは、骨を取り除いてあげてください。
犬のおやつに骨を与えるのはNG?その理由とは?
ワンちゃんのおやつ代わりに骨を与えることはNGではありません。なぜなら、骨はワンちゃんにとって、必要な栄養を補うのにピッタリだからです。骨にはカルシウム、ミネラル、鉄分、アミノ酸などワンちゃんに必要な栄養がたっぷり。ワンちゃんの丈夫な体づくりに貢献します。
さらに、骨をガジガジ噛むことで・・・ワンちゃんの歯磨き、歯石取りの効果や、夢中で噛むのでワンちゃんのストレス解消にも役立ちます。小型犬(5kg)に必要なカルシウム量は手羽先1本程度です。成長期の犬だとその倍は必要ですが、基本、手羽先1本でほとんど補えます。
犬に骨を与える場合に気を付けること
ワンちゃんに骨を与えるときは、骨の大きさ、生の状態か?、骨の種類・・・この3点に注意しましょう。何も気にせずに与えてしまうと、ワンちゃんの怪我や不調、最悪は命の危険にまで発展する恐れがあるためです。
骨の大きさ
ワンちゃんに骨を与えると、本能をむきだしにして食べることが多いです。そのときによく『丸呑み』します。丸呑みしても消化はできるのだけど、問題はその手前・・・喉や食道での事故が心配です。喉を詰まらせて吐き出せるのはある程度の大きさまで。大き過ぎれば吐き出せません。呼吸ができなく命の危険があるので、大きさには注意が必要です。
生の状態か?
鳥の骨は熱を通すと縦に鋭く割れるようになるため、鳥の骨を与える場合は、生の状態で与えるようにしましょう。鳥の骨は生だと尖って割れず、熱を通すよりも栄養価が高いので、生の状態で与えられることをおすすめします。
骨の種類
特に魚の骨には注意が必要です。背骨の部分は大丈夫ですが、そこから生えている骨や小骨が胃や腸に刺さることがあります。その部分の骨は消化し切れないんです。もし魚の小骨が刺さると厄介です。ワンちゃんの体調はもちろん悪くなりますが、取り出すのに手術が必要になるからです。ワンちゃんに手術の体力があるかどか?が重要になります。魚も栄養豊富ですが、与えるときは小骨に注意しましょう。
まとめ
ワンちゃんは肉食で、元々は狩猟して生活し、そのときは肉も骨も根こそぎ食べて消化してきました。消化能力でいえば人間より優れています。ですから、骨を丸呑みしても消化できるんです。骨は栄養豊富です。飼い主さんはこの記事を参考にして、骨を与えてあげてください。