ワンちゃんの留守番は、ケージの中で6時間くらいまでを目安として、最長で15時間が限界と考えてください。長時間でもリラックスして留守番をしてくれるには、トレーニングと適切な広さのケージなどの準備が必要になります。ケージの選び方や留守番のための準備などを調べてみました。
目次
犬の留守番はケージで6時間が限界
犬種や身体の大きさによって、お留守番に耐えられる時間が違ってきます。留守番でストレスを感じにくいのは、だいたい平均して6時間までと覚えておいてください。
6時間まではストレスを感じにくい
ワンちゃんがストレスを感じることなくお留守番をできる時間は、
- 子犬で2時間
- 成犬でも6時間
くらいです。犬はもともと群れで行動する習性を持っているので、1匹でいることが不得意なのは仕方がありません。
訓練していれば12時間は可能
留守番の訓練をした場合、8~12時間の留守番が可能になります。飼われているワンちゃんは、人間が食事や排せつのケアをしてあげなければ健康を害してしまいます。長時間にわたる留守番の場合は、自動給餌装置を設置したり、排泄場所を自由にするなどワンちゃん1匹でも生活ができるような工夫をすることが必要です。ただ、どんなに設備を整えても、急激な体調の悪化や事故などの可能性もあるので、半日以上の留守番をさせるのは危険性がつきものです。
経験を積んできたら15時間まで留守番できる

ワンちゃんが分離不安症でもなく、日常的な自宅での留守番の経験をある程度積んできたら、日帰りの留守番はさせられるかと思います。
・物を壊す
・誰もいない家で吠え続ける
・下痢や嘔吐
・食欲がなくなる
・自傷行為(自分の体を傷ができるほどかんだり、毛をむしったりする)
・あちこちに排泄する
・飼い主が帰宅すると飼い主から離れられなくなる
・飼い主が帰ってきた喜びで、排泄してしまうほど激しく喜ぶ
日帰りの場合、目安は最長で15時間まで。ワンちゃんは長い睡眠時間を必要とするので、留守番中の12時間くらいは寝て過ごす可能性も低くありません。その場合、成犬であれば空腹によるストレスもあまりないと思います。出発前は散歩をして普段より多めのご飯をあげてから出発することが必要です。
その分、夜のご飯は減らして1日の食事量が適正になるようにします。ただ、子犬の場合は空腹時間が長くなると低血糖症になる恐れがあります。子犬のひとりでの留守番は10時間が限界です。
24時間の留守番は無理!
お留守番を24時間以上させる場合は、ペットホテルに預けるようにしましょう。そうしないと、ワンちゃんに相当なストレスがかかってしまいます。飼い主が帰ってこないということで、不安やストレスを蓄積してしまいます。また、トイレなどの掃除ができないことによる衛生面の問題で病気になってしまう恐れもあり、想定外の事故が起こる可能性もあります。
飼い主さんによっては、自分以外の人は嫌うので・・・とか、他の犬と仲良くできないからと、ペットホテルや知人に預けることを躊躇される方もいらっしゃいます。そのようなワンちゃんは、犬にとって必要な社会化ができていないことが問題ですので、人間社会に慣れさせる訓練をしてあげる必要がありますね。
お留守番のために必要なこと
お留守番をさせる前にはトレーニングが必要です。トレーニングができていないと、飼い主が出かけたまま帰ってこないかも知れないという不安から、吠え続けたり、ケージで暴れたりする『分離不安症』になることがあります。どうしても長時間のお留守番をさせなければならない方は、ぜひトレーニングの方法を学んで実践するようにしましょう。
また、留守番時間は短めにと分かっていても、どうしても長時間留守をしなければならない場合もありますよね。留守が長引く可能性があるなら、友人・知人を頼ったり、ペットシッターやペットホテルのようなサービスを利用することを考えてください。
飼い主さんの旅行予定が1泊であっても、ペットホテルの開店時間やお迎え時間に間に合わず、2泊・3泊とホテルを利用しなくてはならないことがあるかも知れません。その可能性が高い場合は、ペットホテルの利用よりも、自宅で留守番をさせて、ペットシッターさんにご飯と散歩だけ依頼した方が便利という場合もあります。飼い主さんの予定に応じて、選択するようにしましょう。
長時間の留守番でもストレスを感じさせないケージの大きさ
ケージの大きさは、基本的にはトイレと寝る場所を確保する大きさが必要です。犬は、トイレから離れた場所を寝床にする習性があるからです。ですから、ワンちゃんがUターンを楽にでき、なおかつ寝るときに伏せの姿勢が余裕でできるくらいのサイズが必要になります。
だからといって、あまり広すぎてもダメなのが難しいところ。ワンちゃんにとって、寝る場所や休む場所があまりにも広いと警戒心が働いてストレスが溜まってしまいます。かといって、狭すぎても窮屈に感じ、そちらもストレスが溜まります。目安としては、体長の3倍くらいで考えてください。ワンちゃんのサイズ別に見てみましょう。
小型犬の場合 留守番に最適なケージの大きさ

ケージの横幅は100~130センチくらいがちょうどいい大きさです。小型犬の体長は約30~50センチほどですから、体長の3倍くらいの目安ということからも分かると思います。あとは、トイレを置いた状態で空きスペースでUターンができるかどうか?を確認して、奥行きを考えましょう。
中型犬の場合 留守番に最適なケージの大きさ

一般的に50~60センチの体長の犬種が多いです。ですから、ケージは150~170センチの横幅のものがあればいいでしょう。体長があればあるほど、奥行きも必要になります。奥行きの目安は小型犬と同様、Uターンと伏せができるかどうか?になります。また、ケージの高さも小型犬のケージと比べると少し高さのあるものが必要になります。ワンちゃんが2本脚で立った状態の1.5倍くらいの高さを準備すれば脱走予防にもなります。
大型犬の場合

大型犬の場合は、最低でも横幅が200~240センチあるケージを用意する必要があります。ただ、目安はあくまでも小型犬・中型犬の時と同様です。「体が大きいからとにかく大きなケージならいいのでは?」というわけではありません。あまりにも大きいと落ち着かず、しっかり休むことができなくなります。
また、大型犬の場合はケージだけでなく、サークルをケージ代わりに使うというのもおすすめです。どちらにしても高さがあり、大型犬が寄りかかっても倒れたり壊れたりしないような丈夫な造りのものを選ぶといいですね。
留守番に適したケージ選びのポイント

ケージの大きさも大切ですが、見落としがちなのが『ケージの素材』です。愛犬の体格に合わせて、どんな素材のケージがいいのか?・・・ここをしっかり考えてあげないと、留守中にワンちゃんが脱走してしまったり、最悪の場合、怪我をしてしまうことだってあるので重要ですよ。
■金属製ケージ
金属製のケージは頑丈で傷に強く、力の強い中型犬や大型犬におすすめです。噛み癖のあるワンちゃんが使っても壊れにくく、長持ちします。屋外で使用する人には耐久性が高く、錆びにくいステンレス製がおすすめ。ただ、重いので持ち運びには不向きです。よく場所を変更する必要のある人には少々値段は上がりますが、軽くて丈夫なアルミ製をおすすめします。
■木製ケージ
リビングに設置する人にはデザイン性に優れた木製ケージが人気です。温かみや高級感があるので、さまざまなインテリアに合いやすいのがポイントです。ただ、金属製に比べると水や傷に強くないので、屋外での使用は不向き。また、噛み癖のあるワンちゃんにとっては、木製ケージはちょうどよい噛み心地で積極的に噛んでしまうこともあります。破片を誤飲する可能性があるので注意が必要です。
■プラスチック製ケージ
プラスチック製のケージは、軽くて持ち運びやすいのが特徴。ニオイが染みにくくサビないので、丸洗いや除菌シートで気軽にお手入れできるのもうれしいポイントです。ただし、プラスチックはやわらかいので、噛み癖のあるワンちゃんだとすぐ傷だらけになってしまいます。また耐久力が強いわけではないので、力があまり強くない小型犬や中型犬におすすめです。
■布製ケージ
軽量で持ち運びしやすく、使わない時にはコンパクトに折りたためる製品が多いのが特徴。来客時や外出先などで簡易的な使用に適しています。ただ、耐久性は低めなので、固定して長時間使用するのには向いていません。また、匂いが染み込みやすいので、床にビニール素材を敷き詰めたものや、撥水加工がされているものがおすすめです。
ケージは管理のしやすさをチェックしよう!
ケージは排泄物やよだれなどで汚れがち。常に清潔な状態をキープするためにも、簡単にお手入れできるケージがおすすめです。例えば、床面のトレーだけを引き出せるタイプなら、掃除やトイレシートの取替をスムーズにできます。また、屋根を開閉できるタイプや完全に取り外せるタイプもおすすめ。側面やドアからでは手が届きにくいところも掃除ができます。
さらに、キャスター付きのケージなら移動がスムーズにできるので、ケージの中や周辺に掃除機をかける時に便利です。ケージの使用を留守番中や来客時だけ使いたいという方には、折りたためるものが便利です。折りたたむと薄くてコンパクトになり、持ち運びも楽にできます。使わないときはちょっとしたスペースに収納できるのはうれしいですよね。
留守番にも最適!おすすめケージ
小型犬向け おすすめケージ
ペティオ(Petio)ドッグルームサークル レギュラー
フェンスが70センチあり、小型犬なら飛び出しにくいサイズの金属製です。(※一部縁に木製の部分あり)仕切りドアでトイレと居住スペースが分かれているのが特徴。床面トレーは、トイレと居住スペースの間に段差があり、おしっこが居住スペースに流れ込みません。
トイレスペースと居住スペースを個別に開け閉めできるので、ワンちゃんを中に入れたまま掃除したいときにも便利!居住スペースが広めでお留守番にも使えるケージです。ただし、屋根は別売りになります。
プチリュバン ダブルドア 折りたたみ式 ペットゲージM
折りたたむとバッグのように持ち運べる、スチール製の小型犬用ケージです。持ち運び用のハンドルが3か所についていて、組み立てた状態でもスムーズに持ち上げることができます。床のトレーは曲げても割れにくく、スライドさせてトレーだけを取り出すことができます。日々の掃除に便利ですよね。耐久性が高く、長いこと使えるのは間違いありません。
中型犬向け おすすめケージ
マルカンお手入れらくらくサークルL DP-925
2つに分かれた引き出し式トレーを採用した中型犬用ケージです。トレーの右側、左側を別々に引き出せるため、トイレだけをサッと掃除したいときに便利です。また、トレーとフレームの間には隙間ガードがあり、汚れが溜まりにくい工夫がされています。ドアがスライド式で、置く場所に困りません。
アイリスオーヤマ リラックスケージ RLC-810
ケージの素材には軽いプラスチックを採用しています。天井部分が開くので、掃除なども簡単にできますね。1番のポイントは、専用の布カバーがついていること。周囲の音に敏感なワンちゃんも安心して過ごせますし、無駄吠えのしつけにも役立ちます。布カバーは丸洗いできますよ。キャスターもついていて楽に移動もできますので、警戒心の強いワンちゃんや夜中に吠えて困っているかたは要チェックです。
大型犬向け おすすめケージ
ペットケージハウス BS-A120
木製フレームでおしゃれです。天井が大きく開くので、ケージ内に掃除機をかけたい時、拭き掃除をしたいときにとても便利です。フレームは木製ですが、スチール製の金網なので耐久性に不安はありません。他のインテリアとも合いやすいおしゃれなケージです。
愛犬に留守番を慣れてもらうために必要なこと

飼い主さんにとって、ワンちゃんにリラックスして留守番してもらえたら一番ですよね。じつは、ワンちゃんをリラックスさせる簡単な方法があるんです。クレートをご存知ですか?
「そんな小さな箱に入れるなんて、可哀そう・・・」と言う方もいますが、決してそうではなく、クレートの中は、ワンちゃんにとって、留守番の間リラックスでき、トラブルに巻き込まれない素晴らしい場所なんです。飼い主さんの指示を聞いて、クレートの中にすんなり入ってくれるようにしつけることを『クレートトレーニング』と言います。
このクレートトレーニングをしっかりしておけば、留守番中のワンちゃんに安心感を与え、留守番をさせやすくしてくれます。もちろん、おもちゃやお気に入りのぬいぐるみなどを置いておくことは必要です。さらに、ペットカメラなどのアイテムを使って、ワンちゃんに飼い主さんの声を聴かせることで安心させることもできます。
また、出かける時と帰宅時の挨拶を控えめにするのも効果があります。ワンちゃんに人間が家を出入りすることが大きな出来事ではないと認識してもらうのです。帰宅時にワンちゃんが喜んでくれると、飼い主さんはうれしくなると思いますが、あまりにも過剰な出迎えをしてしまうと、ワンちゃんが分離不安になる恐れがあるので注意!
少し寂しいかもしれませんが、控えめな挨拶にしていると、ワンちゃんは飼い主さんが出入りしてもリラックスした状態でいることができ、留守中も比較的大人しく待つことができるようになります。
まとめ
お仕事やお出かけなど、ワンちゃんを連れていくことができない所に行くとき、どうしてもワンちゃんはお留守番になってしまいますよね。ワンちゃんもリラックスして、できればほとんど寝ながら待っていてくれたら・・・飼い主さんも不安になることなくお出かけができるかと思います。
ワンちゃんの体形に合ったケージを選んであげること。そして、おもちゃなどの準備はもちろん、トレーニングをしっかりしてあげることで、どんなワンちゃんでも寂しがることなく、かしこくお留守番ができるようになりますよ。