柴犬は飼い主に忠実で、賢く勇敢だと言われます。これらは日本犬に共通する特徴で、狩猟や番犬としての役割が多かったことからも分かります。
しかし一方で、柴犬は性格が悪い・気性が荒いといった声も聞こえてきます。本当のところはどうなのでしょうか?
性格の良し悪しは、個々の柴犬によってさまざまというのが結論です。気性に関しては、番犬としてのDNAから確かに他の犬種と比べて荒いです。
ただ、飼育環境や飼い主さんからの愛情が、性格や気性に少なからず影響を及ぼしているということは大いにあります。
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柴犬は性格が悪いと言われる理由
柴犬は警戒心が強い番犬向きの犬種。あまりベタベタされることを好まないので、愛情を持って抱っこしようとしたその瞬間に「プイッ」として逃げていくことがしばしばあります。
そんなふとした態度から、飼い主さんによっては「性格が悪い」「気性が荒い」と感じてしまうのは仕方のないことでしょう。
ただ、そんな態度を見せたかと思うと、時には甘えモードになるところが柴犬の可愛いところ。「ツンデレ」という表現が一番合う犬種かも知れません。
また、柴犬は表現豊かな子が多いので、例えば気に入らないことがあった時など、ハッキリと「これイヤッ!」と態度で示してくることも他の犬種に比べて多いです。
そういうところ、愛嬌があって可愛いんですけれど、やはり飼い主さんによっては「性格が悪い」と感じてしまうようです。
柴犬は性格が悪いのではなく、【性格が悪そうに見える】というのが個人的な意見です。
柴犬の性格が悪くなる原因はストレスが大半
性格が悪い・・・といっても、どういうところが悪いのか?が漠然としていますよね。飼い主さんの感覚によって左右されるところですが、例えばおもちゃなどモノに対して独占欲や執着が強く、他のワンちゃんにシェアしない様な場合は「性格が悪い」と評価していいかも知れません。
ただ、これは柴犬に限った話ではなく、他の犬種でもよく見られる光景です。そのような性格の悪さが出てしまう原因としては、適切な環境で生活ができていないことが考えられます。
■ほとんど散歩をさせていない
■小さすぎるケージに閉じ込めている
■長時間お留守番をさせることが多い
こんな状況は、ワンちゃんにとってストレスでしかありませんよね・・・。
ワイの性格が悪いだって?いやっ!すべてはストレスからくるものなのよ。
毎日散歩&遊んでるのに・・・家中ボロボロにするの性格悪すぎだろっ!
何度も言いますが、ワンちゃんの「性格が悪い」というのはどういうことなのか?(笑)と個人的には疑問が残りますが、言うことを聞かない・家中ボロボロにするなど、飼い主さんを困らせることを「性格が悪い」と言うものと理解しています。
このような飼い主さんを困らせる原因は、やっぱりストレスから来るものでしょう。愛犬の性格が悪い!と感じられるのであれば、【毎日の散歩&運動と快適な生活環境が必要】ということを覚えておきましょう。
すべての原因はストレス・・・そしてもう一つ、他のワンちゃんとの触れ合い=社会性を身に付けさせてあげることです。もともと犬は社交的な動物ですからね。
柴犬は気性が荒いというのは本当
柴犬には狩猟犬としての遺伝子が有り、昔から番犬としての役割を果たしてきましたので、気性が荒いことは否めません。そのせいもあって、警戒心が強く、不審者などに対しては時に攻撃的な態度をとることがあります。
ただし、ワンちゃんそれぞれに個性があり、大人しい柴犬がいることも事実。狩猟時代から現代までの時間の経過とともに、狩猟犬としてのDNAが薄れてきているのかも知れませんね。
もちろん、毎日の散歩&運動や愛情の注ぎ方によって、気性の荒さの度合いも違ってくるでしょう。また、しっかりしつけができているワンちゃんは、相対的に性格は温厚で気性も荒くないことから、愛情を持ったしつけを行うようにすることが重要です。
柴犬は嫌なことをされると性格が悪くなる
性格が悪くなるというよりも、ひねくれた性格になってしまうと表現した方がいいかも知れませんね。柴犬にはストレスを与えないように、次のような嫌がったり、怒ったりするようなことはしないようにしてあげましょう。
- 食べ物(おやつ)を取り上げる:柴犬は食べ物に執着心が強い傾向にあるため、横取りされたり、取り上げられると怒ると同時に大きなストレスを感じます。
- 叩いたりする:まれにしつけと称して、叩いてしまう飼い主さんがいますが、これは絶対にやってはダメです。ワンちゃんは「自分が悪いことをしたから叩かれた」などと理解することができません。なぜ暴力を振るわれたのか?が分からず、叩かれたことで恐怖と大きなストレスを抱えてしまうことになります。
- 頻繁に長期間の留守番をさせる:飼い主さんがいない寂しさから、破壊行動をおこすなど大きなストレスを抱えることになります。
とくに、しつけの場面で思わぬストレスを与えてしまうことがあるので、慎重に愛情を持って行うようにしてくださいね。
柴犬と仲良くなるためのコツ
おもちゃを与えてあげる
柴犬は、おもちゃで遊ぶことが大好きです。噛んだり、咥えて振り回したり・・・。注意点としては、与えたおもちゃは好きなようにさせてあげること。それと、柴犬が遊びに集中している時に、飼い主さん以外の見知らぬ人が一緒に遊びに参加しようとして、邪魔してしまうことのないようにしましょう。
ボールを投げてあげる
柴犬は走り回ったり、激しい運動をする、元気で活発な犬種です。広い運動場などでボール投げをしてあげるのがベストです。適度な運動をすることでストレスを軽減することができます。
愛情を持って話しかけてあげる
柴犬は、とても賢い犬種で、コミュニケーションをとるのが上手です。柴犬は、飼い主さんが発する言葉の意味を理解しています。よく使う言葉やフレーズを使用して、愛情を持って話しかけてあげましょう。
まとめ
柴犬は狩猟犬だった名残から、他の犬種と比べて気性が荒いところがあります。そして、その気性の荒さに加えて、ツンデレな性格も併せ持っているため、飼い主さんによっては「柴犬は性格が悪い」と感じてしまうこともあるようです。
しかし、柴犬は決して性格は悪くなく、ツンデレの「デレ」の部分がギャップで、とても愛らしい犬種です。
快適な生活環境と、遊び&ストレス発散の運動、そして飼い主さんの愛情をもって、性格の良い柴犬さんを育て上げて欲しいと思います。