アニコム損保が発行している「家庭どうぶつ白書」(PDFデータ)によれば、柴犬の平均寿命は14.8歳(2020年度)となっています。犬全体での平均寿命が14.1歳ですから、柴犬は長寿犬といえます。
ですが、飼い主さんからすれば、もっと長生きして欲しいと願うのは当然のことです。そこで、柴犬を飼ううえで、外飼いがいいのか?室内飼いがいいのか?悩む飼い主さんは多いようです。
結論からいうと、柴犬の外飼いは『何も対策を施さなければ』寿命が縮む傾向にあります。
理由は、外飼いの方が気候など環境の影響を受けやすく、ワンちゃんの身体にかかる負担が大きいから・・・というのは容易に想像がつきます。
そこで今回は、外飼いの愛犬の寿命を延ばすために必要なことについて、みていきたいと思います。
柴犬の寿命に影響を与える要因
柴犬は他の犬種と比べて長生きする犬種ですが、寿命に影響を与える要因としては、次のことが考えられます。
今回の記事テーマにおいては、『飼育場所』『ストレスの有無』『感染症などの病気』がそれに当たります。
柴犬の寿命と外飼い
では、外飼いと室内飼いといった環境の違いが柴犬の寿命にどう影響を与えるのか?をみてみましょう。
外飼いだと、気候や気温の変化によって健康状態に影響が出るリスクが多いですし、また、蚊が原因のフィラリアや感染症によるジステンパーといった、恐ろしい病気にかかるリスクも高くなります。
病気に関しては、定期的なワクチン接種や予防薬によってある程度は防げますが、やはり室内飼いのワンちゃんと比べると、病気にかかるリスクは大きいでしょう。
また、性格的にツンデレ気味の柴犬でも、飼い主さん家族と離れて、一人ポツンと外の犬小屋にいることは、さみしさからストレスを抱えることにもなります。
さらに、鎖でつながれることによって行動範囲が制限されることもストレスを抱える原因になります。
ストレスは免疫力の低下にもつながります。結果、病気になりやすいですし、寿命にも強く影響を及ぼします。
一方、室内飼いの犬は、蚊をはじめとする害虫からはある程度守られていますし、飼い主さんと常に顔を合わせているため、ストレスも少なく、心地よい環境で過ごしている分、長寿になる可能性は高くなるでしょう。
柴犬だけでなく、ワンちゃんは 外で飼うことは、犬にとってストレスになったり、やリスクが高まるため、可能な限り室内での飼育をしてあげることをおすすめします。
ストレスが柴犬の寿命に与える影響
ストレスが愛犬の寿命に与える影響は無視できません。犬はストレスに敏感ですので、長期間ストレスに晒されることで健康に悪影響が出ることは充分考えられます。
■消化器系の病気にかかる
■皮膚疾患にかかる
■心臓疾患にかかる
■不眠症になる
外飼いのストレスの他に、柴犬がストレスを感じる状況は次のようなものがあります。
人懐っこい性格の柴犬。独りぼっちにされたり、愛情を十分に受けられないとストレスを感じます。
■落ち着かない環境にいる状況
騒音が多い場所にいることや、狭くて自由に動けない状況、清潔感がない環境などに身を置くとストレスを感じます。
■環境の変化が激しい状況
飼い主さん家族の変化や、頻繁に引っ越しをするなどの状況が起こるとストレスを感じます。
ストレス耐性がある子、ストレスに弱い子、もちろん柴犬それぞれに個体差はあります。ですが、柴犬はストレスを感じる期間が長ければ長いほど、健康状態を悪化させ、寿命を縮めてしまう可能性があるということを覚えておきましょう。
柴犬のストレス軽減方法
ワンちゃんがストレスを感じているようでしたら、次のような方法でストレス軽減に努めてみてください。
【十分な運動をさせてあげること】
柴犬は活発な犬種なので、十分な運動をさせてあげることでストレス発散になります。毎日散歩することはもちろん、時にはボール遊びなどの激しい運動をさせてあげることが大事です。
【十分な愛情を注いであげること】
柴犬はあまりベタベタされることを嫌いますが、飼い主さんからの適度な愛情がないとストレスを感じてしまいます。いわゆるツンデレってやつです。十分な愛情を与えてあげることはもちろん、コミュニケーションを取ってあげることを忘れないようにしましょう。
【過ごしやすい環境整備をしてあげること】
柴犬はきれい好きですので、きれいで広いスペース、そして静かな環境を作ってあげることで安心します。安心できる場所があればリラックスし、ゆっくり休息をとることができます。
何も難しいことはないですよね?飼い主さんの愛情が感じられること、リラックスできる環境が整っていることなど、ストレスを感じさせない配慮が、柴犬の寿命に関係してくるのです。
外飼いしか方法がない場合の対策
柴犬を室内で飼いたくても、さまざまな理由により飼えないこともあるでしょう。そんな時は、外飼いをするうえで、ワンちゃんの健康を守るための対策をしましょう。
ワンちゃんが快適に過ごせるように、次のような環境を作ってあげる必要があります。
- 雨風にさらされない環境
- 直射日光に当たらない環境
- 夏は涼しく、冬は暖かい環境
上記条件を満たす、柴犬に適した犬小屋のおすすめはコレです。
通気性が良い木製の犬小屋がワンちゃんにとっては一番過ごしやすい環境です。
外飼いの環境が整ったら、定期的に健康チェックをするようにしてください。獣医師による診察や予防接種を怠らないことで、外飼いでの健康不安に備えるようにしましょう。
もちろん、普段から体重管理や栄養バランスの取れた食事を与えてあげることも重要です。
まとめ
柴犬を外飼いした場合は、室内飼いと比べて寿命が縮む傾向にあることが分かりました。ただし、『何も対策を施さなければ』の話であって、必ずしも寿命が縮むということではありません。
外飼いであっても、次のような対策を施してあげることで、室内飼いと変わらず、いつまでも元気で長生きをしてくれます。
- 室内と変わらない環境整備(犬小屋など)
- 蚊や寄生虫などの害虫対策
- 愛情をもってコミュニケーションを図る
- ストレスを感じさせないこと
他にも、してあげられることがたくさんあるはずです。それは飼い主であるあなただからこそ、気付いてあげることができることだと思います。
愛犬に長生きしてもらうためにも、愛情を持って、いろいろと工夫してあげてください。